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この記事は2017年7月21日に更新されました。

 

お腹の赤ちゃんの様子をいち早く知りたい。そんな思いに応えるために出生前診断の技術は進歩し続けています。その一方で命の問題、倫理の問題など出生前診断をめぐる議論も絶えません。でも、大事なのは何事も知ることです。知ることできっと、もっと素敵なことにも気付けるかもしれません。

 

出生前診断の目的

出生前診断とは事前に赤ちゃんの様子を知ることで、出産後の心の葛藤をやわらげるためのものです。そのため誰もが気軽に受けられるものではなく、むしろ受けるにあたっては相応の心構えを求められます。もちろん、出産するかどうかの判断を迫られることもあります。その判断は最終的には各家庭に委ねられますが、実際は多くの人たちと意見を交換しながらになるでしょう。

 

NIPT(新型出生前診断)とは

出生前診断で最新のものはNIPTと呼ばれる新型出生前診断です。
従来の検査とは異なり、血液検査だけで胎児の染色体異常(ダウン症候群、18トリソミー、13トリソミー)などを見つけることが出来ます。
検査は妊娠10週~18週頃に受けることが出来ます。検査結果が出るのは約2週間後です。
ただし、全国どの産婦人科病院でも受けられる、というわけではありません。日本産婦人科学会では、この検査を行うための施設条件を厳しく定めており、2014年3月時点で認定を受けた施設の総数は41施設のみです。
また、NIPTは誰でも受けられるものではありません。安易な中絶を防ぐため、日本産婦人科学会では「客観的な理由のある妊婦に限る」と対象者を限定しています。検査を受けられる人の条件は以下の通りです。

≪NIPTを受けることができる対象者≫
・出産時に満35歳になっている妊婦。
・超音波検査などで胎児の染色体異常が疑われる場合。
・染色体異常の赤ちゃんを妊娠した経験がある場合。

従来の出生前診断に比べ母体や胎児への負担は少なくて済みます。血液検査で異常が発見された場合、確定診断として羊水検査や絨毛検査を受ける場合もあります。
費用は全額自己負担となり、約20万円かかります。

 

羊水検査とは

NIPTの前に一般的に行われていた診断方法の1つに、羊水検査があります。
羊水検査は母胎の羊水を注射によって吸引し、その羊水に含まれている胎児の細胞を検査し染色体異常や先天性代謝異常症について有無を確認します。
羊水検査は妊娠15週から受けることができます。それまで検査が出来ないのは検査に必要な羊水の量と全体の羊水の量の割合、そして注射を高い精度で刺すことが出来るための隙間がまだ十分に形成されていない為です。
羊水検査を通してわかるのは「13,18,21染色体」の異常の有無と、先天性代謝異常症についてです。

≪羊水検査を受けることができる対象者≫
・夫婦いずれかに染色体異常がみられるもの
・染色体異常児を妊娠、または出産したことのあるもの
・高齢妊娠にあたるもの
・妊婦初期超音波検査(エコー検査)、またはNIPT(新型出生前検査)の検査で、胎児に染色体異常の疑いがみられる検査結果が得られ、一層的確な胎児情報を得たいもの

羊水検査で注意しなければならないのは侵襲性の診断方法だということです。
侵襲性とはからだの機能を乱す恐れがある刺激全般のこと。この刺激に注射も含まれるため、羊水検査も侵襲性検査となるのです。
羊水検査の費用は12~15万円程度。入院の必要があればさらに費用が増えることもあります。

 

絨毛検査とは

胎盤と子宮筋層の間にひだ状の絨毛と呼ばれる部分があり、この絨毛を採取することで赤ちゃんの状態を確かめる検査のことです。
絨毛検査は羊水検査より早く受けることができることができます。その目安となるのは妊娠10~14週。また、羊水検査に比べて解析までの時間が短いため、検査結果が得られやすいことも1つの特徴です。
設備が整っている病院、施設で受けることが出来ます。しかし、中には状況をみて検査後の入院が必要となる場合もありますので、検査にあたっては前もって検査内容を確認する必要があります。
以前は筋ジストロフィーや酵素欠損症の診断を目的としていましたが、近年は染色体異常、遺伝子異常も適応対象に含まれています。染色体異常は13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーの有無について知ることが出来ます。

≪絨毛検査を受けることができる対象者≫
・夫婦いずれかが染色体異常の保因者である
・染色体異常症に罹患した児を妊娠、分娩した既往を有するもの
・高齢妊娠の場合
・その他、胎児が重篤な疾患に罹患する可能性のある場合

 

絨毛検査は、以前は羊水検査に比べて流産の確率が高いとされていましたが、最近の調査では違いはみられないとされています。しかし流産や母胎に与える影響がないわけではありません。流産の他、感染による破水の可能性も完全に否定できません。
費用はおよそ10~15万円。高齢出産などの場合には検査後に経過観察期間として入院を必要とすることもありますので、その場合にはさらに入院費用が加わることになります。

 

その他の出生前診断


トリプルマーカーテスト/クワトロマーカーテストは、母体血マーカーテストのことを指します。このテストは検査結果の速さやコストの安さから比較的受けやすい検査となっていますが、精度は他の検査に比べて高くありません。2~3万円で検査を受けることがかのです。妊娠14~18週の妊婦さんであれば検査を受けることができます。

こうした手軽な出生前診断をはじめ、これからますます身近になっていく出生前診断。そのとき心痛を伴う決断に迫られることもあるでしょう。でも、その心痛や葛藤の末の決断があってこそ、新しい命と向き合っていることを実感します。納得のいく判断となるためにもこうした知識を活用してみてくださいね。

 

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